タイトルだけ見ると、単なるハウツー本の印象を与えるが、そうではない。
本格的な読書論である。
読書とは、著者によれば、著者と読者とのコラボレーションである。
このコラボレーションにおいて、編集が重要な役割を演じる。
それは、書き手の側からの編集（目次や表紙などさまざまなものまで含む）と読み手の側の編集（読書ノートや本への書き込みなど）から成り立っている。
読書に関する様々な方法論は、このことを前提としてなりたっているのだ。
これがハウツー本と違う点だ。
本書には、読書に関する興味深い指摘が多い。
書物と書棚はワンセットだ、という指摘もそうだ。
著者はかつて一年に一・二度は本の並びを変えていた。本といっても、３０００から５０００に及ぶ数のものだ。
そのわけは、本の並び方自体が頭の中の知の配置図になるからだ。
荒俣宏はそれに感心して、本の並びを記録するために、半年ほど著者の本に通ったとのことだ。
読書の達人は、さすがに見る目が違うと思った。
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